電気探査

電気探査とは?

電気探査法は、古くから使用されている探査法であり、日本では1920年代ごろから地下水資源調査を中心に適用され、今日では、トンネル調査における弾性波探査との併用、地質的弱部である地すべり面や断層の調査、堤防での漏水箇所調査、降雨前後における地下水の挙動の推定など適用範囲が拡大されています。

概要として、地表に設置した一対の電極から電流(I)を流し、別の一対の電極間の電位差(V)を測定することによって、各電極の位置における見掛比抵抗値(ρa)を求め、その値の解析から地下の比抵抗分布を推定する技術です。
岩石や地層の比抵抗は、その構成鉱物の種類、乾湿の状態、風化・変質の状態、地温、地下水の有無、またその地下水の含有物質などによって支配されるので、地下の比抵抗分布から地下構造を推定する事ができます。

作業概要

調査目的によって、電極の間隔や測定深度を決定します。
決定した電極間隔に電極を設置し、電極配置に基づいた組み合わせに電流を流し見掛け比抵抗値を測定します。
2極法で測定を行う場合、遠電極(測線外の電極)の設置が必要であり、調査地周辺における注意も必要です。

測定は、データの精度を確認しながらすすめます。
各電極の設置抵抗や、電極設置状況(湿地・露岩・沢など)、ケーブル類の不具合などにより測定値が不安定になる場合があります。
精度が悪いデータと判断された場合は、その場で原因を解消し、再測定しなければなりません。

比抵抗垂直探査

比抵抗垂直探査は、測点を中心として、直線状に内電極(電位極)と外電極(電流極)を探査深度に応じて、広げながら測定していきます。
二次元比抵抗探査に比べて測定機材が簡易で、簡便に解析ができるため、小規模な水井戸の水源調査等で多く用いられています。
電極配置は主に、ウェンナー法かシュランベルジャー法が適用されます。

二次元比抵抗探査

二次元比抵抗探査は、調査地で設定した測線に沿って一定間隔で電極を多数設置し、電極の組み合わせを順次変えながら測定することで、測線下の比抵抗分布を推定する探査法です。
近年では、土木・建設分野にくわえて防災・環境分野においても幅広く利用されており、複雑な地形や地質構造でも調査できる二次元比抵抗探査は電気探査の主流となっています。
トンネル調査においては、弾性波探査と併用することにより、総合的な調査精度の向上がはかられています。
電極配置は、調査目的に適した配置が選択されます。

電極配置の解説

  • 2極法(ポールポール法

    大きな信号を得ることができ、作業効率も良いことから、測定数が多い場合に有効な電極配置。
    測線遠方に遠電極を2ヶ所設置する必要がある。

  • 3極法

    2極法と4極法の中間的な探査特性を持っている。
    遠電極の設置は1箇所でよい。

  • 4極法(ウエンナー法)

    浅部の探査及び水平構造の把握に適している。
    作業性は、やや劣る。

  • 4極法(ダイポールダイポール法・エルトラン法)

    浅部の探査及び垂直構造の把握に適しており、異常な地盤状況(空洞・漏水など)の検出に適している。
    作業性はやや劣り、ノイズの影響を受けやすい。
    尚、電極隔離係数( n )をn=1とした場合をエルトラン配置と呼ぶ。

解析

比抵抗垂直探査の解析は、各測点の測定深度における見掛け比抵抗値を対数表にプロットし、標準曲線と補助曲線を用いて比抵抗構造を決定する『標準曲線法』と、データをコンピュータに入力し逆解析によって比抵抗構造モデルを作成する『カーブマッチング法』が一般的です。
複数の測点がある場合、各測点の結果を用いて比抵抗構造断面図を作成します。

二次元比抵抗探査の解析は、コンピュータを用いた逆解析法(非線形インバージョン)で行います。
測定で得られた見掛け比抵抗値を入力し、有限要素法などの計算法を繰り返し行い、理論計算値と実測計算値が充分に収束されたときの比抵抗分布モデルを解析結果とします。
反復修正は最小二乗法が主流です。
測定値の精度の良し悪しが解析結果に大きく反映されるため、測定中の測定者によるデータ管理や、減衰曲線におけるチェックが非常に重要です。